カスタマーレビュー
おすすめ度:
「子殺し」+「子捨て」+「子殺し未遂」 
(2008-10-23)
感動するのは、弱い父の子殺しと子捨てをわかりながら、父をかばう少年。
少年も 父に 崖から捨てられる。子殺しである。しかし運良く助かった。
6才で あの演技ができる。すごい。
主人公は 父を演じる緒形拳ではない。
父を指図する 鬼畜 岩下志麻でもない。
主人公は じっとみつめ 父の弱さを知る すごい男の子。
単純な 話しといえば話しだが 「子殺し」と、「子捨て」の違いをはっきり見せてくれる。
「子殺し」は子どもを殺すこと。
「子捨て」は、世間に子どもの養育ことを お願いすること。
明らかに、異なる。
大竹しのぶが女性警官で登場する。可愛い。
父は 妻の 末っ子の「子殺し」を黙認、次女を東京タワーで「子捨て」実行。そして遂に長男の殺害を実行してしまったのである。
しかし、助かった6才の息子は父を護る。
黙秘し続けるのである。
すごい。
71才で死去した緒形拳が、かような作品で、その弱さを見事に演じきった天才俳優であったことを改めて確認させられた。
岩下志麻の怖さ。
ああ、鬼畜としかいいようがない 哀しいかなしい話し。
さすが野村芳太郎監督。見事。
しかし、この原作者 松本清張の世界はいかようなものであったのかと想像するだけで恐くなる。
緒形拳‥凄い役者だった! 
(2008-10-07)
この作品はテレビで放映されたのを観たのだが、それまで洋画ばかりを観ていた私に「これほど凄い映画を日本人は撮れるのか‥」と衝撃をうけた作品だ。‥周りにうまく順応できない気の弱い男が、追い詰められたあげく自分の子供達を次々に手をかけてゆく…。緒形拳の演技が凄い!お愛想笑いをしたかと思えば、急にキレたり、そうかと思えば泣き出したり…鬼気迫るとはこういう演技を言うのだろう。父親役をたくさん演じた役者だが、この父親像には圧倒されてしまった。ラストの演技は圧巻だった!「‥知らない!知らないよ!」息子にこわばった微笑みをかけていた緒形拳が一瞬、驚きの表情に変わると、絞り出すように泣き崩れる‥!何という役者だろうか!こんな凄い俳優はもう現れてこないだろう!突然の逝去に驚くばかりだ。‥「しつけのため」「言うことを聞かなかったから」些細な理由で幼い我が子を暴行してしまう現状の親達‥。そんな親達より、この作品の緒形の演ずる父親像は、なんと人間味が溢れていることだろうか?わずか30年でこうも親達の意識が変わってしまうとは!‥複雑な気分だ。日常茶飯事に、当たり前のようにこの作品で起きた出来事が起こってしまうなんて。…慎んで、緒形拳さんのご冥福をお祈りいたします。(合掌)
子供の時に見た印象が強烈でした 
(2008-06-24)
私もこの映画を初めて見たのは小学生のときのテレビ放映でした。
当時は、「ひょっとしたら僕もこんな感じで捨てられるのでは?」と、真剣にハラハラ&ドキドキしながら見ていました。最後に、大竹しのぶの婦警さんに助けられたときは、涙を誘うとかそんな感情は全くなく、すごくホッとしたのを覚えています。見終わった後、自分の服のラベルが切られていないかを確認して「よかった…」と、安堵したものです。
そんなトラウマがあるせいか、大人になってから本当は涙を誘う感動作であることを知って、期待して観たのですが、思った以上の感動はありませんでした。歳を取って感受性が鈍くなったのかもしれません。
とはいえ、昔見たときの感情がよみがえり、大変興味深く観賞することができました。
映像の凄さを改めて思い知る 
(2008-03-28)
2008年現在、日本は鬼畜だらけと言う訳か。親や子や兄妹を傷つけ、この世から抹殺する事がかくも頻繁に起こると言う現状はどう考えたら良いのでしょうか。狂っていると思う。鬼畜とは餓鬼、畜生という最低最悪、真にへどが出るほど卑しいもののこと。人間は色で例えたら「真っ白から真っ黒まで」の何十通りにも分類できる多種多様で複雑な感情を持っている。然し、過去マトモな先人によって蓄積されてきた常識概念が制約を持って色分けされてきた。だが今やそれらが蔑ろにされ色分けを無視し、牛の涎のようにだらだらと非常識な事をやる、不条理の世界。この映画は男と女の我儘、勝手が親子の絆を無残に断ち切り、子供を死に追いやるという残酷無比な人間ドラマ。人間とは弱いもの。感情を映像として目の前に突きつけられると言葉にならない。悲哀な仕業に改めて自分の心を引き締めることであった。
見てはならないものを見てしまったーと、思いました 
(2008-02-22)
確か小学4年生か5年生のとき、月曜ロードショーで部分的に見ました。 長女が東京タワーに置き去りにされるあたりから長男が海に捨てられるところまで見た記憶があります。 とにかく強烈な印象を受けました。主演の男優さんが(当時はもちろん名前も知りませんでした)なんだか気持ちの悪いニヤニヤ笑いをしていたかと思うと突然怒鳴ったり、あげくは泣きべそをかきだしたりー。 子供心にもなんか、すごく見てはいけないものを見たような気にさせられました。 それまで自分にとって映画というのは、ただただ楽しくて面白いだけのものだったのですが、その概念をすっかり覆されてしまった作品です。 今見直してもやはり緒方さんの演技はすごいと思うし、それに私自身子供たちが可愛いと心から思える年代になってきただけに、捨てる方と捨てられる方両方の痛みがわかって、切ないです。いやはや、日本映画はやっぱりすごい。
小川真由美さんが緒方さんと岩下さんの家に泊まり込んで、夜中についにキレる場面で、3人全部をミドルで捉えたショットー、監督、カメラマン、女優まで“八つ墓村”のメンバーなのでもう怖いの何のってー。