カスタマーレビュー
おすすめ度:
僕はこれで「文学」を知った 
(2007-12-09)
記憶に残る限り、初めて自主的に手にとって読んだ文学作品。
文房具たちの繰り広げるどたばた騒ぎとどこまでも続く文章に頭の中が「?」でいっぱいになり、
第三章のラストでは砂漠の中でつぶやかれる不毛な「希望」を、どう受け止めれば良いのかわからなくなった。
それがトラウマとなって筒井作品を次々と読む羽目になり、わけもわからないまま今も文学作品の世界を彷徨うことになったわけです。
初心者に向いているかといえば必ずしも自信はありませんが、
少なくとも私にとって筒井康隆の最高傑作といえばこれです。
圧倒的 
(2007-05-04)
まさに傑作。圧倒的な想像世界の物語。SF。実験手法。遊び。ドタバタ。歴史。心理学。狂気。正気。熱気。全てが迫ってくるようです。
しかし、あらゆる人に勧めて貸しても多くの人が未読で返してくる問題作。筒井小説未読者がいきなりこれは厳しいかもしれません。
ほとんど全員が気が狂っている文房具たちの紹介と残忍な鼬たちの歴史物語の後の第三章ではどこかブラッドベリの火星年代記に似た印象を受けます。
素直に世界観を受け入れられれば、何度でも読める、筒井氏の頂点を成す作品ではないでしょうか。
読後、ホッチキスが好きになりました。
筒井好きは必読 
(2007-01-02)
筒井康隆は馬鹿馬鹿しいことを尋常じゃないバイタリティでやってしまえる人だと私は思っているのだが、その最たる例がこの作品だろう。気の違った文房具が船で旅をする、とこう聞けば単なるドタバタ小説かと思われるかもしれないがその描き方は全くもって真摯であって、数十種類の文房具による人間?模様は凄まじいことになっている。第二部にいたっては歴史のパロディで、延々と鼠の住む星について描かれる。ここがとんでもなく長い。そして二部での淡々とした進行をぶち壊すかのような第三部。ここにこの作品のカタルシスがある。600ページ超の長編小説。これを読みきるにはかなり疲れるし、上記の様な事を聞いて読む気にならない人もいるかもしれないが、筒井康隆が好きであればこれは是が非でも読まなければならない一冊である。どこまでこの人についていけるか、それがこの本では試される。最後まで読みきったからといってどうということはないが、私は筒井御大に拍手を送りたいような気持ちになったし、異常なほどの爽快感がある。長い小説を読みきったにも関わらず、それは単なる文房具の戦争である。馬鹿馬鹿しくもあるが、こんなことでも本気でやってしまえば芸術の域に達するのだということがわかる。全盛期の筒井康隆の圧倒的なパワーで描かれた傑作である。
素晴らしき虚構想像力 
(2005-04-19)
筒井康隆の狂いっぷりが堪能できる大ボリュームの宇宙戦争史。
大きく分けて三章。
一章:戦闘艇内部のドタバタ
二章:惑星クォールの歴史
三章:戦闘
こんな感じ。
もう、とにかく一章の出だしで度肝を抜かれたというか、物語に引き込まれてしまった。最初の1行だけでノックアウト確定。ここで書くのは簡単なのだが、皆さんにもファーストインパクトを楽しんで貰いたいので敢えて伏せる。
最初の章はとにかく人物描写に凝っている。宇宙船の中の風景が思わず目に浮かんでくるほどリアリティがある。ドッタンバッタンしているうちに、二章へ突入。この章は正直ダルい。歴史・戦記好きにはたまらんのだろうけど、俺はちょっと……。作者の嫌がらせと思われる。そして三章。ここでついに今までの伏線が結実して一大スペクタクルとなる。
もちろん本来のストーリーだけでなく、筒井氏ならではの“大暴れ”も満喫できる。
個人的には一章全部と三章の前半のノリが好き。
大好き! 
(2005-02-10)
個人的には『朝のガスパール』『パプリカ』等と並ぶ、SF作家、筒井康隆の最高傑作だと思う。
筒井氏本人は、何冊も出る大長編になりえる話でも、一作に纏められるという話に出来るつもりだったらしい。。ポストモダンにおける“歴史”という概念を虚構世界だけで作り上げた逸品!『吉里吉里人』とセットで読むといいかもしれません。